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其の弐 
− 福岡市中央区 −

私、心霊探偵ジゴ郎が今回、ここ福岡より皆をご案内する話は特に心霊スポットとして名高いわけではない為、
背筋の凍りつくような話ではないが、なんとも奇妙な世界に案内しよう。

6月×日
私、ジゴ郎宛てに調査依頼ともいえる1通のメールが届いた。
その依頼内容は福岡市内に流れる菰川の河口付近の川底に散乱している、ある不気味な石を調べて欲しいというものだった。
その周辺には福岡ドームや福岡タワーがあり、大変綺麗な町並みであるが、その菰川の河口付近には何故か死体などがよく流れ着くという。

 


その綺麗な町の河口付近にある不気味な石と死体に何か関係があるのだろうか・・・?
私、ジゴ郎とアシスタントのホワイティは事の真相を探るべく福岡市内に流れる菰川へと向かった。
そこは、立派な橋の掛かったごく普通の川であり、一部分に大きな石が固まってあるだけである。
我々はその実体を検証すべく橋の脇より川へ降りた。
そこには岩というべきか、沢山の石があるだけだ。

これらがその場所である。

 


このように貝が沢山ついている石がゴロゴロとあるだけである。
この日は前日の台風の影響からか、水位が高く波も荒い為、川の中にまで入ることが出来ず、
石をよく確認できない。
歩ける範囲内ではあるが私は何か感じる場所がないか探してまわった。


しかし、何も感じない・・・。 時は過ぎ潮も満ち、辺りも暗くなり何も見えなくなってきた為、我々は一旦引き返すことにし、
後日、改めて検証することとした。
そして後日、我々は潮の干潮時を狙い再び菰川へ向かった。
その策が効したのか、水位は前日の面影も無い程に低く悠々と川の中へと降りることが出来た。

 



しかし、今回のキーポイントとなる石には我々の予想を遥かに上回る程の貝がついている。
数ミリの隙間も無いほどビッシリと張り付いた貝を採るのは当然容易なことではない。
そこで我々は先に石を一つ、一つくまなく調べることにした。
2人で辺りの石を調べ上げること数十分・・・。
「うぁっ!」
アシスタントのホワイティが突然声を上げた!
私はただでさえ歩きづらい川の中を走ってホワイティの元へ向かった。
「・・・石に何か字が書いてある。」
しかし、貝が邪魔をして良く見えない!
我々は1つ、1つ丁寧に貝を採っていく・・・。
そして、徐々にその姿をあらわにしていく文字を見て我々は絶句した!


なんと、これは墓石ではないか!
「どういうことだ?まさか!?」
我々はその辺りを探し回った。
すると、無残な姿で墓石が1つ、また1つと次々に発見される。


そして、この辺りの波の激しさと古い年月を物語るかのように墓石に書かれた字が消えかけている・・。
「誰かが捨てたのだろうか・・?とすると、自分の墓石を川に投げ捨てられた霊魂たちが
この辺りに彷徨っているに違いない。」
しかし、その辺りから霊の気配の全く感じられない。
我々に無残にも転がっている墓石に対する疑問と、何か嫌な事が起こるのではないかという不安が強くなる。
次第に強くなる疑問と不安を振り払う為に、菰川周辺の住民に聞き込みをする事にした。

そして、菰川周辺にて鋭意聞き込みを行った結果、信じがたい以下の事実が判明した。
菰川では昭和一桁代か、昭和十数年頃、当時その周辺が海だった時に海岸の砂浜を海からの波による侵食から
守る為に石を集めて堤防の様なものを作ったという話である。その時に石と一緒に墓石が堤防を作るために
用いられたという。
現在、残っている墓石もその堤防の残骸ではないかと思われる。菰川周辺はお寺や神社が多く、
そこで使用されなくなった墓石が堤防を作る材料として使用されたと思われる。菰川だけでなく、
その周辺西新等にも同じように墓石で作られた堤防が幾つか存在したという話である。

「そういうことだったのか。」
特に、死体と不気味な石に奇妙な関係はなかった。
すべての謎を解き明かした我々はホッと肩を撫で下ろし、再び川の中にある墓石を橋の上から見下ろした。

 



謎はすべて解明されたのだが、
この奇妙な光景にいつまでも目を奪われる私とホワイティは何故か静かに手を合わせ、その場を後にした・・・。

 

 

 

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