vol. 23 疑うところとどまらず
結婚を控えた女性が一時的に不安定になる状態「マリッジブルー」。
26歳の里美さん(仮名)は3ヵ月後に結婚式を控えた市内のOLさん。
「私 もしかしたら ただのマリッジブルーなのかもしれないのですが・・・」
と、少し申し訳なさそうに事務所を訪ねてこられました。
聞くところによると、既に同棲中の婚約者の様子が最近おかしいと言われるのです。
・ 以前と比べて帰りが遅い。
・ ヘアスタイルを最近変えた。
・ ハンカチの汚れ方が今までと違う。
・ 新しい下着がいつのまにか増えている。
「このまま不信感を抱いて結婚するのは不安なんです。」
里美さんのご希望で 早速 婚約者の澄さん(仮名)の行動調査が始まりました。
しかし1週間の結果は問題行動なし。 外回りの営業をしている澄さんは黙々と、とにかく一生懸命仕事に励んでいるのです。 車を止めて昼寝をすることもなければ、仕事中にさぼっている様子もなく、昼食をとる時間さえも惜しんで それはそれは遅い時間まで仕事をしているのです。 そして夜10時、疲れた表情で会社を出た澄さんは 誰かに携帯で電話をかけていました。
「あっ 里美。今から帰るから。」
その電話通り、澄さんは車に乗り込むと 寄り道ひとつせず 里美さんの待つ家に帰っていくのです。
1週間の何もない結果に納得をされない里美さんは もう1週間調査を延長してほしいと希望されました。
「澄の脱いだ下着を毎晩チェックしてるんですが、何か胸騒ぎを覚えるんです。入浴時間も以前より長いし・・・ 月曜日と金曜日は特に機嫌がいいのも気になるし、私に妙に優しいのは自分にやましい事がある証だと思うんです。本当にこの人と結婚していいのか少し迷っているんですよね。」
次の1週間も 働き者の澄さんが報告書に映っただけでした。
「私ったら 何をそんなに疑ってたんですかね? もう迷いはありません。」
『 マリッジブルー 』 結婚を目前に同じような感情になる人は少なくないはず。里美さんはきっと澄さんと幸せになれそうな そんな予感がします。
《 朱雀大路貴美香 》
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