vol. 21 古典的な手口
「先程までのあなたの行動は全て写真におさめてありますよ 奥さん。」
見ず知らずの男性からいきなり肩をたたかれたのは 自宅玄関に入る瞬間でした。
依頼者の春子さん(仮名)は夫と子供のいるごく普通の家庭のごく普通の奥様です。 妻子ある夏雄さん(仮名)と現在お付き合い中。そうです不倫の仲なのです。
しかし二人は自分たちの家庭を壊すことは全く考えておらず、割り切った大人の交際という形で1ヶ月に1度 平日のお昼間にひっそりと会っているのでした。
「ある方の依頼で調査をしている探偵社の者です。あなたたちがホテルから出てくるところからここまで全て撮影していますから、ご主人に見せられるとまずい事になりますよね。この写真を40万円でお渡ししましょうか?」
おそらく同一グループでしょう。夏雄さんのところにも 見ず知らずの男性がカメラを持って現れました。
「奥様にばれると困りますよね? 職場にも知られると大変ですよね? 今日のホテルからの一部始終の写真を50万でお譲りしますよ。」
突然の男の申し出に 春子さんと夏雄さんは考える余裕もなく 二つ返事で言いました。
「わかりました。」
ニセ探偵の典型的な手口です。
「確かに私たちがいけないんです。でも その弱みに付け込んでお金をゆするなんて・・・」
悔しさあまって春子さんはご相談にこられました。
早速 私どもはそのニセ探偵の身元の割り出しにとりかかりました。 40代の男性3名によるグループ犯行であることが判明しました。 その後 このニセ探偵グループによる恐喝現場の証拠を押さえ 無事ご依頼者である春子さんと夏雄さんにご報告をしました。
「恐喝の証拠ですよね これこそ。」
春子さんと夏雄さんの安堵の表情が想い返されます。
今回の調査で判明したニセ探偵グループによる被害は この1ヶ月で12件にのぼりました。
《 朱雀大路貴美香 》
|