朱雀大路貴美香。2児の母であり女探偵。
今日もまた、私のまわりで様々なドラマがくりひろげられる・・・
 

 


vol. 17  うちの子にかぎって 



いくつになってもわが子の行動は気になるもの。
今回のご依頼者様はお年頃のお嬢様をもつ40代のお母様でした。

「最近、娘の帰りが遅いので心配してるんです。」

お母様の話を聞きながら、もしや彼氏でもできて深夜帰宅でもあるのかしら?とぼんやり考えていました。

「娘は今、20歳です。コンピューター系の専門学校に通っていますが、授業が終わると夕方5時には帰宅できるはずですのに、ここのところ夜の7時8時にならないと帰ってこないのです。」
                           


と、本当に深刻な表情をされているのです。

「わかりました。では お嬢様のご様子を1週間みましょう」

ということで調査開始となりました。

しかしながら 当のお嬢様の行動は1週間の間、特に問題なし。お母様からの事前情報通り、午後3時に専門学校を出て 女友達とカフェで時間をつぶしたり、一人 本屋で長い間立ち読みをしたり、ぶらっとウィンドウショッピングを楽しんだりと 普通の20歳のお嬢様の行動と何ら変ったところもなく、夜の7時8時にはきちんと帰宅の1週間でした。

心配された男性の影もなければ、いかがわしいところでアルバイトもなし。
さぞやお母様はご安心してくださるだろうと、晴れ晴れとした気持ちで報告書を手にお母様の来社を待ちました。


「こちらがご報告書です」

と微笑みながらお渡しした報告書を1ページ1ページめくりながら、お母様の表情が曇っていきました。

「この写真は間違いなくうちの娘ですよね? 携帯電話なんていつの間に持ってたんですか?
 うちの子が携帯電話をもっているなんて・・・」
「これまでは何一つ隠し事などしなかった娘が どうして こそこそお友達と時間をつぶしたりするんでしょうか? なぜ?」


20歳の女性。今や携帯電話を持つことは特別なことではなく、放課後に女友達とカフェでお茶をすることも自然なこと。 しかし お母様は自分の娘の行動を全て把握していたいとの想いが強かったのでしょう。

「うちの子に限って・・・」

親も子も日々成長していかなければならないのです。


 《 朱雀大路貴美香 》  
  

 

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