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vol1 疑いが晴れたとき
「最近主人の帰りが時々遅いんです。」
40代の奥様でした。派手でもなく 地味でもなく ごく普通の主婦の方でしたが 表情は曇っていました。
ご主人のお仕事は特に慢性的な残業もなく、普通に退社すれば18時頃には帰宅していた生活リズムが ここ数ヶ月は22〜23時に帰ってくることもあり何かが変わった。と ご相談者の奥様。
(世の男性方ごめんなさい・・・)妻というもの 夫の財布の中身をチェックするなんて たまにあること。その奥様も 怪しんでご主人の財布の中身をチェックしたところ、お小遣いをはるかに上回るお金にびっくり。
「何のお金?」
しかし 翌日 遅く帰ってきたご主人のお財布を覗くと、昨日までのお金がなくなっている・・・
「何に使ったの?」
また 毎週家族で過ごす日曜日に、最近は ご主人1人で「ちょっと出かけるから・・・」と外出までするように。
「どこへ行くの?」
そんな 疑いを抱いたままの毎日に ご自身が苦しくなったのでしょう。奥様は勇気を出してご相談に来られたのです。
40代にもかかわらず、"キュート"という言葉が当てはまるような奥様でしたが、その日は化粧もせず やや疲れた感じでの来社でした。
10日間の調査が始まりました。
予定通り 定時に退社されたご主人が勤務先から出てきました。
帰宅経路のバスに乗ったまでは良かったのですが、自宅まではまだまだ距離のある途中のバス停で ご主人は降車しました。
「誰かと会うのかも?」私たちに緊張が走りました。
ご主人がそそくさと向かっていったのは・・・
― パチンコ店。 −
いえいえ油断してはいけません。誰かと会う約束の時間まで暇をつぶすだけかもしれません。 もしかしたら お店の中で誰かが待っているのかもしれません。 私たちは 緊張感を保ったまま ご主人の同行を見守りました。
4時間経過。
商品引換所で現金を手にしたご主人は 再び 途中のバス停からバスに乗り、奥様の待つ自宅へ帰っていかれました。
「今日は何も出てこなかったなぁ。まぁ 儲かって帰ったみたいだから
明日もしかしたら 誰かとデートになるかもな。」
その日のリーダーがつぶやきました。
翌日。ご主人は勤務先からまっすぐ帰宅されました。
3日目。やはりパチンコへ。その日は一度もかからず3時間が過ぎました。
何万円かつぎ込んだ様子で そのまま 肩を落として帰宅されました。
こうして10日間の調査を終えましたが、出入りがあったのはもっぱらパチンコ店のみ。特定の女性の影は確認されませんでした。
「私が焼きもちをやいていた相手はパチンコだったんですね。」
奥様は写真のたくさんつまった報告書を1ページ1ページ丁寧に見ながらほっとされた様子でした。
「ありがとうございました。」
あの満面の笑みを忘れる事はできません。
先日 ばったりと 街で奥様に再会しました。
明るめの口紅をさし、綺麗にお化粧されていました。
疑いが晴れたとき、心もそして表情も晴れるのですね。人間って。
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